鹿児島に吸い込まれたような気分
このところ「呑む時間」と「食う時間」と「寝る時間」と「ぼけっとしてしまう時間」以外にはまったく暇がなく、書くことがたまり過ぎて、書けなくなってしまった。書けないのだが、とりあえず書いてみる。
9月14日に鹿児島の枕崎に行った。大先輩の松山画伯の個展を見がてら、芋焼酎をきわめる旅に出たのだ…というほどのものではない。芋焼酎は、薩摩白波の本社工場での試飲ですませた。紫つる芋で作った工場限定の焼酎が、少しねっとりと甘くてうまかったのだが
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焼酎のことは、とりあえずどうでもいい。
枕崎文化資料センターの木をふんだんに使った個展会場に勢揃いした松山さんの「にごりのない彩り」が、とても気持ちよかった。白眉は16日の午後に行われたコラボレーション。尺八とお琴の調べに乗って、松山さんがエイヤッと筆を走らせるドローイングパフォーマンスは最高だった。会場に集まった鹿児島の人たちの「ノリの良さ」にパワーを倍加されて、74歳の松山画伯が全身で鳥羽筆を躍らせる小気味よさと、白い大きな和紙に拡がっていく墨の濃淡に吸い込まれるようなひとときを堪能した。
薩摩の海は薩摩の人みたいに優しかった
こちらでの宿は、枕崎のおとなりの坊津のさらに少し先の泊。なんてことのない田舎の旅館なのだが、場所が最高だった。部屋の窓を開ければ、すぐ下に波がうちよせる。眼下に拡がる海が小雨に煙る様子を、醒めきらぬ目で眺めていると、少し二日酔い気味の朝としては、特上の部類の気分に浸ることができる。アルコール漬けになったの頭の中に、ゆっくりと波が寄せては引いていくようだ。動きたくないなあ。帰りたくないなあ。
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