密度の高い三時間に身も心も痺れる
のんちゃんのお宅で茶懐石を体験した。茶道の心得のまったくない者が茶席に出て、とりあえず、最低限恥をかかないための作法を教える、というのんちゃんの新しいプログラムのテストパーティ第一回目。生徒はもりちゃん、まゆみちゃん、きさちゃん、そして僕。正客はのんちゃんがつとめて、亭主はのんちゃんのお弟子さんのタカコさん。
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僕は「おつめ」という役を仰せつかった。
「おつめ(お詰め)」とは何か。「茶席を楽しもう!お茶会・お茶席の基本的知識と、基本的なマナーと作法」というサイトには、その役割が次のように書かれている。
http://wabiji.web.fc2.com/know/3.htm
連客の中で、末席に座る役目をお詰めと呼びます。茶席のしめくくりをし、茶事の進行を促す責任のある役目です。 茶事万端に通じ、経験も豊かな人がつとめます。正客を立てるため、控えめな装いを心がけます。
……って、つとめられるわけがないじゃないですか。心がけられません。おまけに隣のまゆみちゃんからはご飯がいっぱい残った飯器がまわってくる。最初にのんちゃんから「お詰めは残ったものを全部食べなくちゃ駄目よ!」ときついお達しがあったものだから、残すわけにいかない。正座した足が痺れてじんじん痛む。「足を崩してもいいわよ」というお許しがでても、僕の足が短すぎてまともに胡坐も組めない。
「おつめは、空いたお椀をお盆に載せて、亭主が下げやすいように入口のところに並べて!」という正客のご命令に立ち上がろうとすると、痺れた足がもつれてよろけてしまう。思わず顔を赤らめながらまわりを見れば、みんなの冷笑。これでは、まるで女王様がたの「きついいじめ」におののく子羊男ではありませんか。……というのは、ほとんど冗談ですが……(一部に真実あり) いくら足が痺れようとも、非日常的な空間の中で
気持ちだけでも「居ずまい」を正し続けようとする
凛としたふるまいは、(ほんとは凛然とした態度には程遠いのだが) 気分のいいものだった。おそろしく形式化された作法やふるまいというものが、実はとてもかっこよくて気持ちのいいものだということ、そして理にかなっているということを、ほんの少しだけ感じ取ることができた。
帰りに新宿の居酒屋に寄って、足を投げ出す気楽さに呆けながら、それでも「あの密度の高い三時間は痺れるほどおもしろかったね」とみんなで話し合った。まるで、知らない聖域への冒険を終えたばかりの少年少女のように……てへっ。
のんちゃん、どうもありがとう。これからも、よろしくお願いします。
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コメント
座布団の上に正座するのも大変なのに
畳にじかではきついですよね~
折畳み式の正座椅子があるのは知っていたのですが
ちょっとかさばるし・・・・と思って探したら
「正座倶楽部」なるサイトを発見!
空気で膨らますタイプやポーチに収納できる
コンパクトなものなどが紹介されています。
http://www.seizaclub.com/seizaisu.html
投稿: kisa | 2008/09/29 08:58
kisaちゃん どうもありがとう。
これは必須ですね。きっと困っている人が多いんでしょうね。日本人なら、こういうのに助けられてもいいから、ぴしっと正座して、背筋を伸ばしたいものです。
き た jima
投稿: き た jima 摘 入 | 2008/09/30 17:55