「たべものをつくる」人の言葉には「凄み」がある
先週の土曜日、もりちゃんといっしょに山形県南陽の佐藤さんを訪ねた。30年も有機栽培で野菜をつくっておられる農家だ。アルフレッド杉田さんとの連携で、フリーマーケットに有機野菜を出品する件で相談におうかがいしたのだが、あいにくの豪雪でハウス栽培もままならない状態。ハウスのビニール天井が雪の重みでクラッシュしてしまう恐れがあるためだ。具体的な野菜の出品は、もう少し先になってしまいそうだが、それでも5時間車を走らせて、やってきただけのことは十二分にあった。もっとも車を走らせたのはもりちゃんだけど。佐藤さんのお父さんの話しがとても面白かったのだ。
ビニールハウスの雪下ろしから戻ってきたばかりで、かなりお疲れのはずの佐藤さんなのに素敵な笑顔で
「楽しまなければ農業なんかやってられない」
と話される。しかし、その楽しさの背後には、重くて数限りない苦闘があるに違いない。「私のじいさんが堆肥と人糞だけで育てた野菜が、子どもごころにとても旨かったんですよ。そんな旨い野菜を、自分もつくりたかっただけ。」佐藤さんはさらりとそう話す。奥さんが横でにこやかに相槌を打つ。「うちではとにかく、家中のものが試食して、とくに子どもが旨いと言ったものだけを出荷するようにしてるんです。子どもの味覚はだませないからね。」こんなご家族の農家がつくる野菜が旨くないわけがない。そして、佐藤さんの言葉には、プランナーやコピーライター風情には勝てっこない「凄み」がある。東京に戻る車の中で、つくづくそう思った。
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コメント
i like it 「たべものをつくる」人の言葉には「凄み」がある: ドットjpファクトリー by 北嶋常見 a of small account while ago im your rss reader
投稿: free mp3 | 2011/02/06 07:48